YAMANBA徒然

八ケ岳の(てのひら)の中で、右往左往の日々の綴りです。


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  2012年 5月19日 晴れ  静


長野県茅野市尖石縄文考古館にて 「土偶作りに挑戦」 の講座に一日のみだが、参加する。

一日で仕上げられる 土偶 という事で、小さい可愛らしい土偶 2体を、二人で 1個ずつ作る。

「縄文のビーナス」 「仮面の女神」 はレプリカであるが、この可愛らしい2体は、本物の出土した 土偶 である。

AM 9;30

館長の説明、ガイドさんの解説を聞いた後、制作開始。

小さい土偶 だが、結構、難しい。
顔の部分の作り方が、どうなっているのか、良く見ていかないと分からない。
掘り込みが深いので、厚みをとっておかないと・・・。

昼を食べ、午後の制作に入る。

掘り込み、文様、フォルムの直し 等等。
バランスが、多少、狂っているが 完成!

今回も 縄文考古館 の皆さんには、お世話になりました。

ありがとうございました。


     
     
    2012年 5月15日 雨   静


AM 12:00  八島湿原

横浜の中学生 28班 2コースに分かれ 1班10名程の子供達と 御射山 まで、雨の中 湿原を半周するルートを歩く。

1500m程の湿原の雨は、かなり体温を奪う。それにも関わらず、子供達は頑張って歩いている。
途中、鹿に皮を食べられた コナシ の木の前で考えたり、まんまるの ヤドリギ で写真を撮ったり、湿原を見渡したり、皆、雨の中 頑張って歩いた。
靴がビショビショになってしまった子に、新聞紙を丸めて入れて置くと、多少いいかも とアドバイス等して、私達インタープリターは八島に戻る。

天気の良い湿原を見せてあげたかったなぁー。


     
     
    2012年 5月10日 午前中 曇り時々晴れ   静


AM 8:45  車山肩

女子大付属高校の一年生と一緒に 車山肩 から 八島湿原 まで、ルートガイドとして歩いた。

連休当りから大気が安定せず、今日も天候が心配であったが、今朝の車山周辺は、まあまあの天気で、多少、風が冷たく感じられる程度だった。

山には不慣れとの話であったが、「もっと、岩のところを歩きたいなぁ」との意見もあり、皆、楽しく歩いていた。

途中、ショウジョウバカマ が咲いていたので、ちょっと 「猩々袴」 の解説。漢字で表すと理解し易いのだが・・・。

旧御射山社 への道で、鹿のフン を見つけ、皆、写メール。チョコレートみたいとの発言も!
御射山社で 二礼二拍手をしてお参り、小休止をとる。ジャガリコとプリッツをもらう。

湿原へと歩く。途中、鹿の防護柵を抜け、木道を歩いて行くと、ミズナラに寄生している、まん丸の ヤドリギ に感動。写メール。

八島ヶ池近くで、皆、静かに シュレーゲルアオガエル の声を聴く。
広場で 八島湿原 の全景や、歩いてきた 車山 を遠くに眺めて解散。

そろそろ、雷や黒い雲が と思うと、ポツポツ きたかな。
皆、元気で、とても気持ちの良い歩きが出来た。
良い旅を!!

AM 12:00 八島湿原 解散

夕方、犬の散歩の時、久方振りに、3頭の牡鹿と出会う。
古い角は抜けていて、袋角が生えてきていた。
植林でユンボが入って、鹿の森から姿を消したと思っていたので、少し嬉かった。しばらく見ていたが、お尻を白くして、去っていった。
 袋角 はビロードのようで、血液が詰まっているという。すぐに固まってかたくなるらしい。

又、会えるのを楽しみにしている。


   
     
湿原のヤドリギ   2012年 5月5日 晴れ   静


こどもの日 の今日、長野県にある 霧ヶ峰 を歩いた。

5月10日の 車山肩から八島湿原 までの ルートガイド の下見を兼ねて、八島ビジターセンター 「あざみ館」 でルートを確認してから、湿原から車山肩 へと、逆コースを登った。

御射山 までは、ほとんど平坦な湿原沿いの木道で、沢渡 までは砂利の車道を歩く。

沢渡 の分岐で 車山肩 への登りの道をとる。 車山肩 までは、石の多い、だらだらとした登りが続く。
前日、雷が鳴り 雹 が降ったとの話で、道は濡れており、下りでは滑ったであろう跡が、かなりついていた。女子高生との事で、当日、少々心配!
車山肩 で昼にする。遮るものがないので、風が強い。
北アルプス・八ケ岳・南アルプス・浅間 等、360度の視界 である。

風が強いので、早々に 車山湿原 まで下り、喋々深山 へと登る。途中、まだ雪が所々残っていた。湿原は ザゼンソウ が顔を出している位で、春の訪れにはまだ早い。

喋々深山 の山頂は風が強く、飛ばされそうである。ここは、空が広い。
湿原を隔てて、車山山頂 の 気象観測用レーダードーム が輝いている。

物見岩 まで 北アルプス を眺め下る。
山の途中に巨大な岩が鎮座している。ここに登れば、四方八方見渡す事が出来る。なるほど 物見岩 である。

下に 八島湿原 を見ながら下りていくと、沢筋と出会う。
水の中に生き物の姿を見つける。時々顔を出すが、すぐに水に潜ってしまう。中くらいの カエル だ。
奥霧の小屋 までの道の真ん中で、カエル が重なっていた。春だなァー

湿原沿いの木道を 八島 まで 鎌ヶ池 鬼ヶ泉水 八島ヶ池 の輝きを見ながら歩く。

何度も訪れているのだが、 ホッ とする地である。
ゴールデンウィーク の一日であるが、歩いている人の数は多くない。

古代人も、夕日に輝く水面を見て、同じ感動を得ていたのかと思うと、時間の流れが不思議に感じられる。

気持ちの良い一日であった。


御射山社
湿原越にレーダードームを見る
喋々深山山頂
物見岩越のレーダードーム
重なったカエル
物見岩から八島湿原全貌
     
     
サクラソウ
イカリソウ
シロバナエンレイソウ
コゴミ・ヤマブキ
  2012年 4月下旬   静


今年の3月から4月にかけての八ケ岳南麓は、冬の延長のような気候が続き、春の ホワーァ とした暖かい日が少なかった。

4月下旬になって、急に初夏を思わせる日が何日か続くと、落ち葉を持ち上げて、あちらにニョキッ! こちらにニョキッ! と様々な植物が顔を出す。
顔を出してからは、庭を一周して戻ってくる間に 葉っぱが開いている!と、ビックリする速さで生長する。

4月下旬から5月にかけての南麓の林床は、その年の事情により様々であるが、四季の中で一番の賑わいを見せる。


ウラシマソウミヤマエンゴサクキケマン
    ウラシマソウ       ミヤマエンゴサク       キケマン


     
     
  2012年 4月21・22日   静


長野県茅野市尖石縄文考古館にて 「縄文土器を作ってみよう」 の講座に参加する。

昨年、「土偶を作ろう」 に参加して 国宝 「縄文のビーナス」 重文 「仮面の女神」 の2体の土偶を作り、10月の 「縄文火祭り」 に野焼きをして仕上げた。(2011年5月10月の頃に掲載)

本物の縄文土器を目の前にしての制作だ。

一日目
9:30 開始
 ・ 館の方の説明
 ・ 初級2個 中級2個 上級2個から土器の選択
 ・ 深鉢形把手付土器(縄文時代中期中葉 約5000〜4500年前)を選ぶ
 ・ 出土した土器に忠実に器体を作る。 現代美術にならない様に!
12:00 昼食
 ・ 器体の微妙なソリが難しい
 ・ 器体、どうにか完成
 ・ 左側の取っ手を付け、装飾を施していく
15:00 終了時間だが館の配慮で一時間延長
 ・ 装飾途中で終了。明日出来上がるだろうか。不安だ。

二日目
9:00 開始
 ・ 昨日の続きの取っ手の装飾 片側完成
 ・ 右側に螺旋状の編み込みを二本つける
 ・ 左右の装飾の細部の手直し
12:00 昼食
 ・ 細部を出来るだけ忠実に仕上げていく
 ・ 棒状工具で、横方向の2本の沈線を描く
 ・ 上下の沈線の間に縦方向の沈線を等間隔に入れていく
15:00 終了時間 今日も一時間の延長
 ・ 全体を手直しして、バリを取りどうにか完成

館の方々や土器サークルの方達のお蔭で、今年も 「縄文土器」 を作ることが出来た。

ありがとうございました。


 初級向け  大六殿遺跡出土 浅鉢形土器 (縄文時代後期前半 約4000年前) 
     
     
    2012年 4月下旬   静


今日は、リス が正面から飛んで来た。

西の窓を何気なく見たその時、隣の物置の屋根から2m程 離れた  の木に飛び移ろうとしていた リス(太め) の顔が飛び込んで来た。
リスは眼が少し出ているのだが、その眼が、飛び移ろうとしている  を真剣に見据えて、両手を伸ばして、尻尾を広げて・・・ エ〜イッ!

一瞬、空を飛んだ

こんな リス 初めて見た。  ビックリ!!!


     
     
    2012年 4月中旬   静


三本目の 鹿の角 を拾う。

夕方、犬の散歩の途中、歩道沿いの林の中で、65cm程の角 が落ち葉から白い先端をのぞかせていた。
 長老の角 より多少短いが、立派な角である
最近は、鹿の寝場所のこの林にも重機が入り込み、牡鹿達の姿を見る事は少なくなってきた。

夜7時頃、八ケ岳の裾野を巻く 通称 「鉢巻道路」 に沿った県営牧場の中は、昼間の 牛や羊達 と入れ換わって、鹿牧場 と化している。
牝鹿と小鹿の群れが、夕暮れの八ケ岳を背に、こちらを警戒しつつ見ている光景は、嘗て、この地域に居住していた 「縄文人」の目 を思い起こさせる。

夜の車道を 小鹿二頭 が歩いていた。
車に驚いて牧場の中に逃げようとしたが、最近、高い柵が張り巡らされているため、しかたなく、車と一緒に道路を足を滑らせながら歩いていた。
窓を開け、気をつけるように声を掛け、速度を上げて去った。

確かに 鹿 は増えている。
だが、害獣 として捉えるには、多々・・・・・・・・・・・・・・・・ 考えてしまう。


 
     
     
ダンコウバイ
ダンコウバイ
福寿草
キクザキイチゲ
キクザキイチゲ
  2012年 4月中旬   静


標高1000m程の南麓にも、春の気配が眼に見えるようになってきた。

多少の湿り気を帯びた空気が、花の香りを運んで来る。
カラマツ や ミズナラ の高木も、何となく、ふっくらしてきている。

まず、ダンコウバイ が黄色い花を付ける。小さな金平糖の様な花だ。
そして、枯葉の間からは、やはり、黄色の 福寿草 が輝いている。
春一番に咲き出す花は、黄色の花が多いみたいだ。

 「スプリング エフェメラル」

落ち葉を少し寄せてみると、キクザキイチゲ の蕾を抱いた葉っぱが、顔をだしている。

まだ、高木の ミズナラ達 が芽吹く前のこの時期、林床には、春の柔らかい日差しを浴び咲き誇る、これらの花々の姿が見られる。

 キクザキイチゲ も 「スプリング エフェメラル」 と呼ばれる花の一種で、木々が葉を茂らす時期には姿を消してしまう、妖精のような可憐な花である。

もう少し春が深くなると、サクラソウスミレ類ハルリンドウカタクリチゴユリ などが、林の中に様々な色を置いていく。

林床に咲くこれらの花々の上に、春の日差しが届くように ミズナラ達 の芽出しが遅くなるという、自然の摂理や知恵? に感嘆する。

そして、その優しさに・・・・・感じ入る。


     
     
  2012年 4月初旬   静


夕方の犬の散歩で、又、鹿に出合った。

鹿のほうも、「よく出会うなー」 と思っているのだろうか?
多分、牡鹿と思うが、何頭かは角が無く、片方だけの鹿が一頭、そして、短い角の若い鹿が二頭、まだ2本の角を持った鹿が数頭の群れであった。

こちらが止まって見ていると、鹿達も止まって ジィー と見ている。
しばらくの時間、鹿に話掛けて見ていたが、若い鹿から ソーッ と軽やかに歩いて去って行った。


最近、落ち葉が乱れている場所が所々見られる。
落ち葉の下のものが、目当てであるらしい。
森の中で、その動物らしき フン を見た。
多分、この間、夜中に 「キュウキュウ」 と鳴いていた動物であろう。

以前にも、二頭のその動物の 「真夜中のデート」 を目撃した。
丸っこいお尻を並べ、「ブヒブヒ」 と落ち葉の中に頭を突っ込んでいた彼等は、 イノシシ であった。
懐中電灯で照らしても、動じる気配は無く、仲良くお食事中であったので、
デートの邪魔は野暮なので、そーっと家の中に入った。


     
     
八ケ岳   2012年 4月1日   静


エイプリールフールの日曜日

温かいコーヒーとビスケットを持って、自宅から鹿の森を抜け 女取湧水まで、久方振りに歩いてみた。

森の中で、二頭の牡鹿と一頭の雌鹿に出会ったのだが、鹿達が森に入ってくる私達を、距離をおいて見ていたと言った方が正しいのだろう。

人間は気づかずにいるが、動物は 人間が何をする か、じっと観察している。

二頭の牡鹿は、まだ、角を落としていない。
三頭の鹿はお尻の毛をハート型にして、去っていった。


女取湧水 までの森の中の道は ホワッ として暖かく、小鳥達の囀りが聞こえるだけで、他に人の気配はない。

涸れた川底を渡り、カラマツ を切り開いた 防火帯 を歩く。
湧水 が溜まっている水場付近には、鹿の足跡やフンが点在していた。
この 女取湧水 も、以前より、大分人の手が入った跡が見られる。

小休止をとり、上の 県営牧場 へと、森の中を歩く。

県営牧場 の広い道の両側は、 カラマツ並木 が続いている。
芽吹きの時期は、柔らかい緑で、とても綺麗だ。
ここは、牧場越に、北に 八ケ岳 南には 鳳凰三山 甲斐駒 北岳 と連なる 南アルプス を望む、あまり知られていない所である。

遮るものがないので、風が かなり強い。

カラマツ の芽吹きの頃、又、写真を撮りに来よう。


女取湧水女取湧水八ケ岳
フキノトウ
女取湧水
南アルプス
八ケ岳
カラマツ並木
   
     

  2012年 3月28日   静


4月まじかであるが、時折 山から雪が降り、吹雪いて 一面真っ白になるような日と、春を期待させるような 何処からか 花の香りが漂ってくるホッ とする日が、繰り替えされている。

この頃の南麓は、多少の湿り気を含んだ空気で、空の青も薄くなって、木々の芽が、少し膨らみかけている。

木の下の 福寿草 が花を開いた。
枯葉の中で、黄色の花が輝いている。

春よ来い 早く来い!


 
     
     
長老の牡鹿   2012年 3月21日 夕刻    静


いつも、10頭程の牡鹿の群れ を見る森の中で、鹿の角 を拾う。

         長老の角
          長老の 70cm 程の 大きな ツノ


昨年 5月の母の日の頃にも、犬の散歩の途中、そこに突然現れたみたいに、60センチ位 の 鹿の角 が落ちていた。

この YAMANBA徒然 を綴る 基 となった出来事である

一般に、鹿の角は、冬から春 山菜の採れる頃にかけて、落ちるといわれている。
この地の牡鹿達は というと、この写真の 長老と思われる鹿 の、向かって左の角が変だな・・・と感じたのが、この写真を撮った 3月中旬頃
そして この 長老らしき角 を拾ったのが、3月21日の森の中 であった。

長老は、いつも出会うと こちらを正面から じっと見ている。
私達が、ある程度の距離をとっていれば逃げることはないが、一歩踏み出すと、若い鹿から、お尻の毛を ハート型 にして、軽やかに遠ざっかって行く。
しかし、この長老は、最後まで留まり、静かに去っていく。

片方の角を落とした長老は、バランスが悪いみたいで、とっても走りにくそうだ。
若い鹿達は まだ角を落としてはいない。

鹿は角を落とすと (落とす為か木に角を打ち当てている跡が 3月上旬辺りから見られる) 血液の入ったビロードの様な袋角が生え、すぐに硬くなっていくという。

長老の角は重く、70センチ程 のかなり立派な  である。

この長老の率いる群れの頭数が、最近 減ってきた。


私達は、いつも後から来た者として、そして、森に住まわせて貰っている事を忘れてはいけないと、 常々 感じながら暮らしているている。


牡鹿
お尻の白い毛は警戒している印
角を砥いだ跡
ヌタ場
牡鹿の森
     
     
車山山頂   2012年 3月11日 曇り時々晴れ  静


昨年の3月11日、東日本で、多くの犠牲者や被害を出した地震が発生してから、一年が経った。・・・・・・・・ ・ ・ ・ ・  ・  ・   ・  黙祷

春の彼岸には少々早いのだが、浅草にあるお墓に参った。

年2回の彼岸の墓参りには、春は、八ケ岳近辺の温室で育った花 (アリストロメリア・アネモネ・水仙 etc) を、秋の彼岸には、アーキサイトに咲き乱れている花々を束にして、3箇所の墓に供えるべく、持っていく。

今回は、横浜美術館の 「松井冬子展」 を見逃す訳にはいかなかったので、朝早く八ケ岳を出て、墓参りと兼ねた。

涙がでそうな 絵 であった。
キズが昇華していくような・・・

七時頃、仕事を終えた息子と、新宿で三人で食事をする。

1時間30分ほどであったが、顔をみると ホッ とする。


  
ススキ輝く霧が峰
古墳跡
     
     
鹿のフン誰かのフン誰かのフン
  2012年 3月  静


まだ、雪が森を白くしている晴れあがった日、写真を撮りに森に足を踏み入れた。

目的は、フン(糞) である。
主に鹿達のものであるが、時々、 これは誰のだ? といった フン にも時々出会う。

鹿の フン を見た事がありますか?

ドングリ 位の 大きさ・形 (先端は尖っていない) で、食べる物によって、多少の色の違いはあるが、ほぼ, 黒褐色 だ。
そんな フン が獣道に沿って、点在する。

大きなスギ類の木の下は、下草や枯葉が少なく、平坦になっていた。
そして、その木の途中には、嘴の丈夫な鳥が開けた穴が開いており、地上には、半分に割れた クルミの殻 も落ちていた。

冬の森の針葉樹の大木の下には、様々な動物たちの痕跡が見られる。


アカゲラの巣?鹿の角研ぎ跡


     
     
    2012年 3月初旬   静


 ハチ・ガク の散歩が夜遅くになってしまった。

ヘッドライトで、道を照らしての散歩である。
雪が降ったばかりなので、森の中も雪で真っ白だ。
森にライトを向けると、赤い2つの丸達が、空中を点々と彷徨っている。

ちょっと妖怪っぽい・・・怖っ!

目が慣れてくると、大きな角が暗闇に浮かび上がり、牡の鹿達が、森の中からこちらを見ていた。
ライトの光で照らされて、結構、大きな赤い丸丸である。

そして、空には オリオンが舞立 天の川が・・・!

だから、真冬の夜の散歩は、やめられない!!!


 
     
     
雪の牡鹿   2012年 3月初旬   静


又、牡鹿の群れと出会った。こちらを見ている。

警戒しているときは、お尻の白い毛がハートに見える。
冬の鹿は、茶色と言うより濃い褐色 (木々の色に近い) である。

この時期、角を枝に打ち付けている姿が見られるが、まだ、角は落ちていない。
この地の鹿が角を落とすのは、もう少し先のようだ。
枝分かれをした、立派な角を持つ大人の鹿の中に、まだ角の小さな、身体の小さな、若い鹿も混ざっている。

散歩コースの他の場所では、間近に見ることが出来た。
ハチ・ガクとも顔見知りなので、足を折り曲げ、安心して寝たままである。

鹿達に声を掛けながら、散歩を続ける。


警戒している鹿
     
     
    2012年 3月初旬    静


夕暮の犬の散歩コースの森の中で、何度も牡鹿10頭位の群れを見かける。立派な角を持つ大鹿だ。

ハチ の方は鹿が好きで、出会うと尻尾を振って喜ぶ。
甲斐犬の習性を受け継いだ ハチ は小さな時から、ガク の下にもぐって首を撥ね上げて倒す等、教えてもいないのに戦い方を会得していた。

だが、鹿に対しては戦うのではなくて、ただ、好きであるみたいだ。


 
     
     
夕暮の県営牧場の50頭程の鹿の群れ    2012年 2月28日    静


夕刻、八ケ岳の裾野を巻く 「鉢巻道路」 に面した県営牧場の中に、牝鹿と小鹿をまじえた 50頭程 の大きな群れに出会う。

何頭かが、道路を渡ろうとしていたので、車を止め牧場の方をみると、薄暮の中、八ケ岳をバックに鹿達が浮かび上がって見えた。

車の外に出ると、足を引き摺っていた1頭を庇いながら、警戒とも威嚇とも思える「キイー」と聞こえる声を数頭が発しながら、安全な距離を置いた場所に移動していった。

冬の夕暮れの牧場には、牛も羊の姿もなく、鹿達に与えられた最も安全な場所に思えた。

私達が東京から移住して、23年程になるが、最近の様に、多数の鹿の姿を見るようになったのは、十数年前 (1998年1月9日から15日にかけて3回位降雪)1メートル程 積もった、大雪の後からである。
この時は車が動かせず、除雪の入らない山の別荘地に住んでいた、老ご夫婦が亡くなったとの話もあった。

平成24年の今、この地は、以前より便利になり、厳しかった気候も和らぎ、リタイアされた方達が多く移り住む場所となっている。


     
     2012年 2月   静


最近の冬は、洗濯物を外に干した途端に凍りつくといったことが無くなってしまった。そして、氷点下10度以下になる日も少なくなっている。
それでも、最近引っ越して来られた方々は、「今年は寒いですね。」と言われる。

今日も雪が降っているが、二月だというのに、湿り気を含んだ、重い雪だ。

山桜の枝分かれした所に、 リス の巣がある。
動物達も雪の日は嬉しいのか、二匹で追いかけっこをして、遊んでいる。
そして、私はそれを飽きもしないで、眼で追いかけている。二匹は、追いかけっこにも飽きたのか、枝で丸くなっている。

動物達には、良い森であったのに、だんだんと、壊されていく。


     
     
縄文火祭りでの野焼き(土偶を並べる)   2011年 秋   静


五月中旬 茅野市にある 尖り石考古館 で作った 「縄文のビーナス」 と 「仮面の女神」 のレプリカを焼き上げる 縄文火祭り の日がやってきた。

空は、真っ青な 秋晴れである。

中央に薪を組み 周りに作った 土偶 を並べる。

大きな土器を焼き上げる場所や、中位の土器の場所、三箇所の薪を積んだ、大きなサークルが出来上がってくる。

式展 が終わり、縄文火祭り の始まりだ。

焼き上げる時、割れてしまわない様に、土偶の並べ方や向き、温度、火の具合など、経験されている方達が、気を配って下さっている。

最初は、小さな遠火で、徐々に温度を上げていき、そして、どんどん薪を入れ、火を大きくして、全体に炎が廻るように薪をくべる。

秋空に舞い上がる炎に、一瞬にして、この地の縄文時代に、思いを持っていかれる。

薪をくべる。くべる。くべる。くべる時は、顔が焦げそうに熱い。

土偶の色が、赤茶に変化してくる。

炎がだんだん小さくなって、野焼きも、終わりに近づく。

 「縄文のビーナス」 は、そのまま冷やすが、 「仮面の女神」 は、松の葉や藁で包み、燻して黒くする。

尖り石考古館の皆様のお蔭で、壊れることなく焼き上げられました。

感謝! 感謝! です。そして、一日 ありがとうございました。



  
  縄文のビーナス        仮面の女神 

中央に火を入れる
火を徐々に大きくする
秋の青空に炎立つ
火を落とす
焼き上がり
 縄文のビーナス・仮面の女神
   
     
ジャノメチョウ類ヒョウモンチョウ類
タテハチョウ類ジャノメチョウに恋したヒョウモンチョウ
ミヤマカラスアゲハヒョウモンチョウ類
タテハチョウ類
ジャノメチョウ類モンシロチョウ
セセリチョウ類
シジミチョウ類

クジャクチョウベニシジミ



2011年 8月下旬〜9月    静


夏の アーキサイト の周りは、相変わらず花と虫達とで  ゴッタガエッ います。

 フェンネル には、キアゲハ の食欲旺盛な大小の幼虫達が モゴモゴ 口を動かし、ミヤマクロアゲハ キアゲハ が ヒラヒラ と舞、毎年、姿を見せる ゴマダラカミキリ が、葉っぱの陰に隠れ、キイロスズメバチ が、我が物顔で、蝶達を蹴散らしている中、カメラを持ち、昆虫達の日々の姿を追いかけています。


ミヤマカラスアゲハアサギマダラカラスアゲハ
ツマグロヒョウモンクジャクチョウ・タテハチョウミドリヒョウモンキアゲハ



ジキタリス・マーガレットルピナスインパチェンス
ゲラニュウムカシワバアジサイアナベルマロー
ヤナギランウバユリマツムシソウマムシグサの実






ニシキウツギダイコンソウ
トラノオマロー
ヒメロカリスアナベル
ハンゲショウフシグロセンノウ
トリカブトコバイケイソウ
ジキタリス
ショウブユキザサ
 
     
     
清里からの八ケ岳   2011年 8月9日 晴   静


9日の早朝、写真家の卵の息子が、小荒間の自宅から歩きで、三ツ頭〜権現〜キレット〜赤岳 へとの 小泉口コース から登り始めました。

この時期の八ケ岳は、雷雨が多く、この日も朝から良い天気でしたが、午後になってもくもくと積乱雲が・・・ゴロゴロゴロと雷鳴稲光・・・
 そして 滝の様な雨・・・

登山中の息子は、権現〜キレット〜赤岳への稜線 にあったそうです。
滝の中を登っている感じで、どうにか赤岳に辿りついたとの事でした。
翌日、下山後、「登りより下りの方が大変だったのではないか」と話していました。
山頂からは、「雨でびしょびしょ」とのメールと共に、遠く向こうに、富士山がきれいに写っている写真が、添えられていました。

無事で良かった!


 
     
     
  2011年 8月   静


夏真っ盛りの清里の事務所 「アーキサイト」 の周りでは、好き放題に咲き乱れている花々の中を、幾種類もの蝶達やハチ・昆虫等が、短い夏を謳歌しています。

その中に交じって写真を撮っていると、顔見知りになってしまうのか、蝶等は手にとまったりして動けなくなってしまう事も多々あり、花や蝶達がぐるぐる廻って、まるで 白昼夢 を見ている様な、夏の一日でした。


     
     
カブトムシセミマルハナバチアオカナブン   2011年 8月   静


夜 明かりに カブトムシ のメスがやって来ました。
以前は、クワガタ・カミキリ・カブトムシ等、明かりを目指してやって来ていましたが、最近は少なくなりました。

大きさは結構大きくて 6cm 位。捕まらないようにと願いました。


移住した平成1年当時に見る事が出来た ムシ

  春 ; シロチョウ・モンシロチョウ・キチョウ・クジャクチョウ・キタテハ・ハンミョウ・マルハナバチ
      テントウムシ・アリ類
  夏 ; ハルゼミ・ニイニイゼミ・ミンミンゼミ・ツクツクホウシ・ヒグラシ・クワガタ・カブトムシ 
      カミキリムシ類・カメムシ類・コガネムシ類・ゴミムシ類・ナナフシ類・カゲロウ類・
      トンボ類(イトトンボ・オニヤンマ・シオカラトンボ・ギンヤンマetc) 
      ハチ類 (キイロスズメバチ・スズメバチ・アシナガバチ・ジガバチ・ツバチetc)
      チョウ類 (ミヤマカラスアゲハ・カラスアゲハ・キアゲハ・オスジアゲハクロアゲハ
           クモガタヒョウモン・ツマグロヒョウモン・ジャノメチョウ類・タテハチョウ類
           シジミチョウ類・アサギマダラ・オオムラサキ・ガ類)
  秋 ; コオロギ類・バッタ類・アカトンボ・タテハチョウ類etc



ある日、ヘビの尻尾がちぎれた 様な、そこから、長い針 の様なものが出ている、トカゲの目をしたウロコを持った 生き物がいました。

ちょっと気持ちが悪いので、箒で掃いて退かそうとしたところ、クネクネとおとなしく掃かれていました。

ヘビが何かに食べられて、尻尾の骨が出たまま、生きていたのかと思いましたが、その何日か後にも、同じ生き物の小さいものがいたので、動物に食べられて、尻尾が無くなったのではない様です。

お願い ; この生き物を知っている方は、連絡頂ければ幸いです

今思うと、写真に撮っておけばよかったと悔やまれますが、その頃は、デジカメなど無く、携帯電話も重いトランクの様な物だったので、この20年間のデジタル機器の進歩は、すごいなと感じています。


  
     
     
オスのアサギマダラ   2011年 7月   静


八ケ岳の自宅に自生する ヒヨドリバナ  アサギマダラ が吸蜜に訪れていました。

「旅をするチョウ」として有名ですが、この辺りでは夏から秋にかけて、風に乗って飛翔するのが見られます。
風に乗って滑空している アサギマダラ はとても気持ち良さそうです。
生態を調べて見ると面白いですよ!

又、ここ北杜市長坂町は、国蝶 オオムラサキ が見られる所ですが、飛翔は 「バサバサ」 と音がする様な感じで、糞や樹液のある場所で良くみかけます。

とても綺麗なのですが・・・。


     
     
  2011年 7月   静


長野県の霧が峰 八島湿原 で数回インタープリターを行いました。

小・中学生10名程に、自然との 共生・共感・共存 などを分かり易く解説したり、その時の空気感とか感動を、未来へ繋げていけたらいいな と思いながら、一緒に歩いています。

反省する事多々有り ですが、子供達の一言を励みにしながら、続けていけたら と思っています。



コバイケイソウ
ヤマドリゼンマイ越の八島ヶ池
     
     
ハルリンドウサクラソウ
タイツリソウキクザキイチゲ
タチツボスミレエイザンスミレ
モンタナルーベンスミヤマオダマキ
アヤメカタクリ
イカリソウ
ラミュウムフタリシズカ

キケマン・オキナグサ

サクラソウ 
2011年 5月〜6月   静


八ケ岳南麓の標高 1000m にある我が家や、清里の小さな事務所 アーキサイト にも、花の季節がやってきました。

春まだ浅い時期に咲くのは、何故か黄色の花が多い気がします。



  ・フキノトウ ・セツブンソウ ・フクジュソウ ・セリバオウレン ・スミレ類 
  ・キケマン ・カタクリ ・サクラソウ ・チゴユリ ・ユキザサ ・ナルコルリ
  ・ホウチャクソウ ・キバナホウチャクソウ ・アマドコロ ・ワニグチソウ
  ・ウラシマソウ ・イワヤツデ ・キクザキイチゲ ・キジムシロ ・シュンラン
  ・オキナグサ ・ハルリンドウ ・イカリソウ ・ヤグルマソウ ・エンレイソウ
  ・ラショウモンカズラ ・ミヤマエンゴサク ・クリンソウ ・ジュウニヒトエ
  ・センボンヤリ ・ヒトリシズカ ・フタリシズカ ・コゴミ
  ・ダンコウバイ ・アブラチャン ・コブシ ・サクラ類 etc



アヤメキバナノオダマキイカリソウチゴユリコゴミ


スプリング エフェメラル

可憐な妖精の様に、春浅き森を彩る花々。


キクザキイチゲ

 
                                                薄空色の菊咲きの花と、柔らかい緑の葉を持つ キクザキイチゲ の群落は、葉を付けないミズナラ等の高木の下で、春を謳歌している様です。




     
     
仮面の女神 制作風景   2011年 5月21日22日   静


長野県茅野市にある 尖り石考古館 で 土偶 を作る講習会に参加した。

ここには、国宝である 「縄文のビーナス」 と重文の 「仮面の女神」 を展示してあるのだが、そのフォルムは、5000年程経った今でも心を動かす。

二日間で、どちらかの土偶を土で作るのだが、ビーナス の方は塊で、女神 の方は紐作りと、二つの土偶は、時代も異なるが、作り方も異なる。

一日目
館の方で、原寸大の型紙を何枚も用意して下さる。
私は 「仮面の女神」 を作る。

石膏のレプリカを参考にしながら、型紙に合わせて足の方から土を乗せていくのだが、なかなか・・・難しい。
一日で、どうにか広げた  まで作る。
サポートの方達の丁寧な教えで、取れ易く、一番壊れ易い 腕 を付けるところまで出来た。

感謝・・・です。

二日目
いよいよ 頭部と仮面 に掛かる。
石膏のレプリカでは細部が分からないので、学芸員さん監視の元に、特別に実物とそっくりなレプリカを見ながら、 頭部・仮面 を作っていく。
難しい!!!

仮面の女神 は文様が描かれているので、なるべく、忠実に描こうとするが、文様の始まりと終わり 流れ を把握しておかないと・・・。
時間をオーバーしてしまたったが、館の方々、学芸員の功さん はいやな顔もせず見守って下さった。

このまま乾燥させて、十月の 縄文火祭り に野焼きで焼き上げるそうだ。壊れないことを祈る。

考古館の方々には、本当に 感謝!感謝!です。

ありがとうございました。


    仮面の女神   縄文のビーナス

     
     


   2011年 5月初旬   静


夕刻 長野県 八島湿原 に行き来ました。

湿原は、5月の中旬でも花は ショウジョウバカマ・ミツバツチグリ・キジムシロ が色を置いているくらいで、春の気配を感じられるのは シュレーゲルアオガエル の可愛らしい合唱と、他のカエル達の 「チャッポン・チャッポン」 と水に飛び込む音、そして、鳥たちの囀りでした。

春 浅い湿原は、人も少なく静かで、水面が夕日に輝き、 ノビタキ のオスが、高い枝で春を歌っていました。

     
     
    2011年 5月   静


 シカ と話をする。

犬の散歩で シカ を見ることが多々ある。
まだ 袋ヅノ の2頭のオスと1頭のメス。
 シカ との距離は5m程で3頭ともこちらを見ている。
警戒している様子はない。多分、確認済の犬と人間。
犬も人も座り込んで、話をする。
 「鉄砲打ちや車に気をつけるんだよ」
メスのシカが葉っぱを食べ始める。
 「さよなら」をして離れる。
近くで他の人の声がする。と、咄嗟に逃げて行ってしまった。

 リスやイノシシ・シカ 等の動物や鳥たちを見ていると、いつもいる人間の声や車の音などは、認識しているのではないかと感じる事が多い。

そして、見ているのは動物達であり、見られているのは私達 人間の方。

 「森に住まわせてもらって居るのだという事を、いつも感じていなければいけないのだ」 と、最近の開発等をみて、憂いている。


     
     
60cm程の鹿の角   2011年 5月10日   静


臍の緒が付いたまま山に捨てられていた甲斐犬の雑種2匹 (ハチ・ガク)10歳になるその犬達の散歩の途中、 ハチ が、臭いを嗅ぎながら森の奥へ・・・と!
目の前に この シカの角 が落ちていました。

拾った角は、長さ約60cm程 シカの角は個体差はありますが、冬から春 山菜が採れる頃、角を落とすみたいです。
拾ったのは、落として間もない時期だったのでしょう、虫や動物達に齧られた痕もなく、スベスベに研いでありました。
角は思ったより重く、2本一緒には落ちないのでバランスを崩す事もあるそうです。
その後、ビロードの様な袋角が生えてきます。

そんなシカ達に散歩の途中に、度々出会います。

二日前が、母の日であったので ハチ・ガク そして、八ヶ岳 からの 贈り物 である様な、不思議な体験でした。



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